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「生駒の神話」のストーリー(骨子)<2020.4>

【解説付版】

(図版はクリックで拡大できます。)

 この文は2020.4に作成したもので、その後、「生駒の神話」のストーリー(骨子)は添削しております。添削後のそれについては、【解説付版】 をお読みください。

(1)海の向こうからやってきて日向(ひむか/現宮崎県)の国を治めていたイワレ彦は、九州を征したのち、内つ国(うちつくに/国の中心/生駒山の東側/現在の生駒~奈良盆地周辺)を征服せんと瀬戸内海を東進して難波(なにわ/現大阪平野/生駒の神話が生まれた縄文時代から弥生時代への移行期はまだ大部分は海)にいたり、そこより生駒山を越えようとした。

77_20200121170801(2)このとき、内つ国ではナガスネ彦が、イワレ彦より先に海の向こうから内つ国にやってきたニギハヤヒと共に、戦う(人間を殺す)ことのない平和なクニづくりをしており、狩猟採集漁労に生きるナガスネ彦たちは、武器でない狩猟用の弓矢しか持たなかったが、侵攻軍を撃退するため、雨のように矢を放った。侵攻軍を射抜くためではなく、前進してくる侵攻軍の眼前に天から降ってくる矢で鉄壁の壁をつくることで、侵攻を許さない意思を突きつけ、侵攻を阻むために。ナガスネ彦たちは、投石や落岩等も駆使して、侵攻軍を殺すことなく撃退した(クサカの戦い)。

 ただ、イワレ彦の兄である五瀬命(いつせのみこと)は、流れ矢に当たってひじを負傷したが、他者の幸せを祈ることで回復力を高めることをせず、逆に、他者に報復するとの執着心を捨てなかったことで体力を低下させ、重傷ではない傷が原因となってのちに死亡した。

(3)内つ国征服に執着する侵攻軍は、太陽に向かって進んだので撃退されたと思い、迂回して南東方向から太陽を背に内つ国を攻撃しようと考えた。

(4)侵攻軍は迂回ルートを進む途上、その先々で、食糧・寝所・休養所等を得るために、ナガスネ彦たちと同様にこれまで戦う(人間を殺す)ことのない世界に生きてきて戦うということなど知らなかった人々を一方的な攻撃や謀略によって殺戮(食べるため以外の目的で殺すこと)した。

(5)侵攻軍が殺戮しているという知らせを受けて怒りをたぎらせたナガスネ彦たちは、再び侵攻軍と会い見まえた時(トミの戦い)、進攻軍をせん滅(殺戮)せんとして、狩猟(食べるために動物の命をいただくこと)のために神から授けられた弓矢を武器に変え、彼らは軍隊に変質した。

78_20200121171601(6)ナガスネ彦軍が、侵攻軍をせん滅するため矢を一斉に放とうとしたまさにそのとき、ナガスネ彦たちのトーテム(守護神)である金の鵄(金鵄)が突然に飛来し、激烈な閃光を放ってナガスネ彦たちから弓矢を取り上げ全員を打ちのめして殺戮を阻止し、殺戮することで堕落することからナガスネ彦たちを守った。侵攻軍もまた、命の尊厳をないがしろにする者を許さない金の鵄の激烈な畏敬・畏怖の力で全員が打ちのめされひれ伏し改心した。金の鵄は、堕落していたイワレ彦たちをも救済したのである。

(7)そののち、ナガスネ彦・イワレ彦・ニギハヤヒの三者は話し合いをした。それの内容は次のようであった。

 ①ナガスネ彦は、殺戮者は殺害されるべきであり、それを実行するためであれば、自らの、殺戮を しない・必要ない・できない、という本然の性(非戦・避戦の精神)を失ってもやむを得ない、という考えを改めなかった。

 ②イワレ彦は、これまでの自らの殺戮を心から反省し、先住民の本然の性を我がものとして殺戮の無い平和なクニづくりをしていくとの不退転の決意を述べた。

 ③ニギハヤヒは、何度もナガスネ彦を説得したができず、涙を呑んでナガスネ彦を追放することを決意した。

(8)三者の話し合い後、ニギハヤヒは、平和なクニづくりを行うという約束の下に、殺戮を反省して改心したイワレ彦に内つ国を国譲りし、イワレ彦は神武天皇として即位でき、ニギハヤヒは即位した天皇に倭(わ・やまと/のちの日本)を治める魂(たま・モノ)を付与するモノノベ<魂モノの部>の祖となった。一方、金の鵄の守護がなければ殺戮することで堕落していたナガスネ彦は指導者の資格を失い内つ国を追われた。ニギハヤヒは本然の性を持ちながらこれを放棄したナガスネ彦ではなく、先住民の本然の性を我がものとしたイワレ彦に未来を切り開く希望を見出し、彼にそれを託したのである。

 ナガスネ彦は北方に去った。ニギハヤヒとその妻にしてナガスネ彦の妹であるミカシキヤ姫とその子のウマシマジをはじめ、ナガスネ彦を愛する人々に見守られて・・・・・。イワレ彦も高台から、家臣と共に、ナガスネ彦を姿が見えなくなってもいつまでも膝ま付き頭を垂れて見送った。イワレ彦ははっきりと理解していた。 これからの統治者になるものは、殺戮が「必要ない」「出来ない」人間ではなく、それを「決してやらない」 「許さない」人間だということを。ナガスネ彦は、自分がいなくても、そのような者が統治するクニづくりができるようにするため、自らは敢えて追放される状況・立場に身を置いたのだということを・・・・・。    

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