« クサカ(草香・日下)・孔舎衙(クサカ)の坂・草香山(饒速日山) | トップページ | 縄文(縄文時代・縄文人・縄文文化)と弥生(弥生時代・弥生人・弥生文化)    »

生駒山越直行の道(生駒山越え一本道ともいう/東部は一直線の道)

この道は、神話の山である生駒山の東麓にある生駒駅と同じく西麓にある旧孔舎衛坂くさえざか今昔マップ)を、生駒山北嶺(生駒山上から北へ続く尾根と峰)を越えて、直行で結ぶ道です。生駒駅を発して旧孔舎衛坂駅に向かう場合は「生駒駅から旧孔舎衛坂駅へ 直行の道」、その逆の場合は「旧孔舎衛坂駅から生駒駅へ 直行の道」となります。

)直行で結ぶということは最短で結ぶということで、この道は「生駒山越え一本道」とも呼べます。この道の東部(生駒駅から生駒山北嶺まで)はほぼ一直線、西部(旧孔舎衛坂駅から生駒山北嶺まで)は直線ではない部分がいくらかあります。

)全行程において、公認ハイキングコースの各一部も含み (西部での、東大阪市のあけびの路・まつかさの路・すぎこだちの路・くさかハイキング道。東部では横切ることはあります)、また、それ以外の歩き良い道もありますが、気軽には歩けない道(一方が崖の狭隘な箇所、人の歩くのが少なくなると笹が生えそうな箇所、急峻で歩くというよりも這い上がるずり降りるといった方がよい箇所、などがありが多いです。ですが、要所要所にはテープマーイング(テープによる道標)があり、また、2020年12月の現在ではよく踏み固められており、迷うことはないでしょう。幅の広い道と幅の狭い道へとの境(入り口・登り口・降り口)が分かりづらい箇所もありますが、そこには必ずテープマーキングがあるので、最初は、冒険の一種であるルートファンディング(どういけばよいかを探る・見つける)を楽しむ感覚で探り見つけてください。必ず見つけられます。

)この道は、生駒トンネル開設<1914(T3)年竣工>に伴い設置された、かつての「近鉄高圧鉄塔 生駒山越線(生駒山越送電線)」に沿った道です。この線は1世紀に渡る役割を終え廃線(16年11月撤去決定)となっていますが、下記の、この道の「概念図」の地図(国土地理院地図)にはまだ記載が残っています。「概念図」の地図に東西に走っている線がそれで、その線に沿って東西に延びているのがこの道です。かつてこの線に沿って巡視路があり、この道は、「今も保全されている、または、1世紀に渡り踏み固められてきたので今も残存している巡視路」「消滅、または消滅しかかっていた巡視路を復活整備した道」「巡視路はこの辺りを通っていたと見なして整備された道」からなります。また、この線にそって通称「近鉄マーク石標」<写真.jpgこのページより)>が設置されましたが、この道の通り道や側部に今も見ることができます。東部では51カ所でみることができ、2個いち(数メートル離れてペアで設置)と思われるところは1カ所と数え、谷田墓地東入口付近も1か所と数えていますが、そこではなんとなぜか17個もあります。一方、西部では2か所でしか見ることができません。これらのうちの何か所かは、この道の整備中に、藪に隠されていたものや土の中に埋もれていたものが「発見」されたもので、これからも「発見」される可能性があります。鉄塔は1号機から26号機までありました。電線はすべて撤収され、鉄塔も大方撤去されましたが、なぜか3~8号機だけは今も撤去されずにその姿をとどめています。

125 この道の「概念図」(クリックで拡大)

  〇この「概念図」を印刷する場合は、この2つ(直行の道西部.jpg / 直行の道東部.jpg)を印刷して貼り合わせていただくこともできます。

)この道を歩かれる場合

 ①この道の「概念図」を使用してこの道を歩かれる場合は、このページに記載の概念図<善根寺越・日下越・古堤街道南道(一部)・八丁門越(一部)・宮山周辺.jpg>の併用が便利です。その概念図は必携ではありませんが、その概念図の添付図である別図C.jpg(生駒駅発着の生駒山登山道)と< 添付写真(その1).jpg / 添付写真(その2).jpg / 添付図「生駒駅~鷲尾山山道入口図」.jpg  / 添付図「生駒縦走歩道~鷲尾山間の近道」/c(直線ルート)の「概念図」jpg>は必携です。

 ②この道の軌跡と写真が次のようにヤマップで紹介されています。大変役に立ちます。是非にご活用を。

   生駒山越 直行の道<生駒駅→近鉄鉄塔5号>(3.3㎞)  生駒山越 直行の道<近鉄鉄塔5号→旧孔舎衛坂駅>(1.2㎞)  「生駒山越 直行の道」<旧孔舎衛坂駅→生駒駅>(4.3㎞)  以上の3つ以外にもこの道の関連データ(軌跡・写真)このページに載っています。

この道のイメージ図(「概念図」に太緑線で明示したもの)

128_20210110184401(クリックで拡大)

  〇このイメージ図を見てもお分かりのように、先に述べたように、この道の東部はほぼ一直線であり、生駒駅から生駒山北嶺に至る道は「生駒駅から生駒山北嶺へ 一直線の道」と呼ぶことができます。

この道を歩くことのススメ

 ①上述のように、大部分はハイキングコースのようには気楽に歩ける道ではありません。あたかも崖を上り下りするようなところで木々やつるにつかまらねばならないところもあり、這い登りずり降りなければならないところもあり、急斜面で据え付けのロープや鎖につかまらねば登り降りできないところもあり、崖を横歩きするところもあり、片斜面で足をすべらせれば数m程度転落するところもあり、笹を踏み倒して固めただけのところもあり、倒木を乗り越えくぐり抜けなければならないところもあり、堰堤えんていの底部にもぶつかり、谷を渡るところもあり、廃墟を恐る恐る通ることもあり、やや長時間を要す急登・急降の道もあります。基本的に「道を歩くことは冒険」です。日頃歩いている道でも日によって何が起こるか分かりません。生駒山越直行の道は、ロッククライミングの技術が必要とされるような命の危険を伴うような激しい冒険の道ではありませんが、危険度の低い夏の北アルプスのポピューラーコースよりは冒険度の高い道です。ハイキングコースのような気楽に歩ける道では物足りなく、冒険的な要素のある道を歩きたい健脚者向けの道です。健脚でない方や山歩きに慣れていない方が歩かれる場合は、2人以上で連れ立つことで意を強くしながら、慎重に、しかし過度に恐れることなく、じっくりと歩いてください。そして、この道がハイキングコースと違うところは、木やつるにつかまりながら這い上がりずり降りるようにしなければならない箇所が少なからずあり、また、据え付きの鎖やロープにつかまって登り降りする箇所があり、軍手が必須であることですので、それを持参し利用してください

 なお、這い上がりずり降りなければならない、土から生える木・つるやその木に結わえられたロープや土につながるくさりにつかまらなければならない場所が少なからずあるということは、この道が、人間にとって大切な土は人間にとって大切ご参照)から感化を受けることができる道ということになります。

 ②直線の道といえば北海道の原野ぐらいにしかなく、山地のそれは稀有<注>で、この道は、一直線の道や直線的な道や一本道を歩けばどんな困難にぶつかり、それは乗り越えられるのかという好奇・探究心を満たしてくれる道です。また、一直線の道や一本道を歩き通すということは、時にはやむなく少し迂回やジグザグを余儀なくされて曲がらざるを得ないことも含めて「一本筋を通す」(一本道を貫く)という爽快感をもたらしてくれます。

   <注>一直線のハイキング道としてはケーブル(近鉄東信貴鋼索線)跡ハイキング道.jpg(高低差約136m/平均勾配19.7%/約690m)が三郷町にあります。

 ③このページミラーによれば、近鉄奈良線旧生駒トンネル上(旧孔舎衛坂駅~生駒駅)には昭和初期に建設され、2万2千ボルトの鉄道用電力を送ってきた生駒山越送電線がありましたが、送電系統の整備が進んだこと、また鉄塔や電線等の経年による腐食・劣化の懸念が大きくなったことから廃止が決まりました。撤去が決まったのは2016年11月ですが、2020年12月現在、上述したように電線は完全に撤収され、鉄塔も大方撤去されていますが、3~8号機はまだその姿を留めています。その姿は、酷暑・極寒の日も、また、風雨にさらされながらも、長年にわたり電車を動かす電力を送ることで沢山の人々を輸送するという大役を果たしたという誇りを誇示しながらすっくと立ち尽くす孤高の姿で感動的です。高圧電線でつながった鉄塔はどうしても電磁波を発しているというイメージをぬぐい切れませんが、大役を終え高圧電線がつながらない鉄塔は勇姿的です。この道の西部は、その勇姿をつなぐ道です。また、東部は、勇姿の跡をたどる道です。なお、前に述べたように、東部は道の内や側部に「近鉄マーク石標」が頻繁にあることから、「近鉄マーク石標」をたどる道ともいえます。

 ④この道は、生駒駅より旧孔舎衛坂駅へ向かう場合と旧孔舎衛坂駅より生駒駅へ向かう場合とでは全く別の様相を呈します。そのため、同じ道ながら東西いずれから出発するかで2つの異なる道を楽しむことができる道となっています。「生駒駅から旧孔舎衛坂駅へ 直行の道」と「旧孔舎衛坂駅から生駒駅へ 直行の道」の両方を歩いて、いわば「生命の危険はない近場での冒険」を楽むことができます。主体的に困難な場に自己を投入し、困難を乗り越えていく喜びを楽しみ、達成感を得ることで自己の存在性を高めていくことを冒険というならば 、この道を「生駒山越プチ冒険の道」とも呼べます。また、気楽に歩けるハイキング道でなくわざわざ難路が多く険路もあるこの道を歩くことで主体的に困難な場に自己を投入し、困難を乗り越えていくことで自己を鍛えていくということを「修行(修験)」というならば、この道は「生駒山越修行の道」「生駒山越修験の道」とも呼べます。なお、修験の道として著名な大峯奥駈道とは長さや標高は全然違うものの、難路・険路の度合いはさほどかわらず、場所によれば「生駒山越修験の道」 の方が高くなっています。

 ⑤この記事ミラーには、次のようにありますが、このプチ冒険の道では、「山地を一直線に進めば、どんな困難と出合い、それは如何様にして乗り越えられるか」ということに、近場にて向かいあうことができます。

   ・・・「旅」と「冒険」について、何を体験するか、どこに行くのかということはさして重要ではなく、「心を揺さぶる何かに向かいあっているか、ということがもっとも大切なこと」だ・・・・。

所要(実働)時間(やや健脚者が初めてでなくこの道を歩いた場合)

 ①生駒駅⇒生駒山北嶺の電波塔のフェンス東側(東部登り)   110分(1時間50分)<降りの2倍>

 ②生駒山北嶺の電波塔のフェンス東側⇒生駒駅( 同 降り)    55分(55分)    <登りの半分>

 ③旧孔舎衛坂駅⇒生駒山北嶺の電波塔のフェンス西側(西部登り)130分(2時間10分)<降りの3割増し>

 ④生駒山北嶺の電波塔のフェンス西側⇒旧孔舎衛坂駅( 同 降り )100分(1時間40分)<登りの77%ほど>

 ⑤生駒駅⇒旧孔舎衛坂駅                    210分(3時間30分 )

 ➅旧孔舎衛坂駅⇒生駒駅                    185分(3時間  5分 )

<注>⑤・➅は、電波塔のフェンスの3/4周(フェンスの東側と同西側の距離)の所要時間3分は含みません。

 ※健脚でない方や山歩きに慣れていない方が初めてこの道を歩く場合は、山歩きに慣れている人と一緒に歩くと共に、念のため、上記の1.5倍の所要(実働)時間(休憩時間は含まない)を見込んでおくとよいでしょう。

所見

 東部と西部の所要時間の違いは、下記が要因と思われます。

 ①東部は西部よりもなだらかで歩行距離は長くなるはずですが、ほぼ一直線なので歩行距離も最小限となります。対して、 西部は東部よりも急ですが、東部に比べると曲線部分が多く、その分、歩行距離は長くなります 。

 ②東部は、ほぼ一直線で、突き進むようにスムーズに歩ける部分が多く、そのことが所要時間の最小限化をもたらしています(ただし、慎重な歩行のため十分な所要時間を要す箇所も部分的にはあります)。降りは、その気になれば弾丸のように駆け降りることも可能なぐらいです(ただし、健脚でない方や山歩きに慣れていない方は降りの時も慎重に時間をかけてください)。対して、西部は東部に比べると歩行条件が良くない(急、片斜面、足場が悪い、曲線)部分が多く、そのため、スムーズに歩けない部分が多く、それが東部に比べると所要時間がかかる要因となっています。西部では、駆け降りるということはできません。

10参考

 〇この道を2回目以降に歩くとき、人気スポットである「鷲尾山頂上」と「中倉さん(竜田川源水)・朝日地藏(桃山時代作)」に寄り道するコース(この概念図.jpgの赤字線)を歩く(寄り道オプション)のも一考です。

 〇寄り道オプションなどは、このページ(再掲)をご参照ください。

 〇この道の一部がこのページで紹介されています。

 〇この道につながる生駒の古道等については生駒の古道等の概念図のまとめ(一覧) ご参照

11追記

 20年9月から、TBS系列の「アイ・アム・冒険少年」(HPWiki)で突っ切り山」の放映が始まりました。これは、20年12月27日に整備が完了した生駒山越直行の道と同じコンセプト(山地をまっすぐに歩けば、どんな困難が待ち受け、それは乗り越えられるかが試される)で制作された番組です。突っ切り山」(ご参照)は、すでに第3弾まで制作・放映されているところを見ると、結構人気があるのでしょう。そこで、以下の企画を考えました。

  生駒版「突っ切り山」体験会<計画中>

とき・ところ ◯月◯日( )、8時30分生駒駅正面改札口前集合、午後3時頃石切駅解散

内容 生駒山脈の「突っ切り山」ともいうべき「生駒山越直行の道」(生駒駅から石切駅まで最短で突っ切る道)を踏破します(約5㎞)。ーー起伏のあるコースのためかなりの健脚向けです。途中1カ所にトイレあり。雨天決行(傘をさして行けるところまで行きます。)

必要品 弁当、飲み物、歩きやすい服装、軍手、携帯傘。

費用 無料(ただし、帰りの交通費は自弁)

申込み 不要(当日、集合場所の「突っ切り山 」の旗の下に来てください。)

問合せ 大事な事は皆で考え決めよう会の生駒山担当の吉波さん(☎84・    ) 

« クサカ(草香・日下)・孔舎衙(クサカ)の坂・草香山(饒速日山) | トップページ | 縄文(縄文時代・縄文人・縄文文化)と弥生(弥生時代・弥生人・弥生文化)    »